人を知る
#03
大学卒業後は、設計事務所で働いていて、2016年に中途でファーストステージに入社しました。前職では主に商業施設、公共施設の設計をしていましたが、お客様も案件として発注しているので、どうしても「かっこいいデザイン」「使いやすさ」よりも、予算を優先しなければならない場面も多く、歯がゆさを感じていました。転職を考えていた時に、ファーストステージで働いていた友人が声をかけてくれたのがきっかけです。「たったひとつのお客様の家」をつくる注文住宅をやりたいと思っていましたし、ファーストステージは自由設計でご提案できるのが魅力的でした。実際に現場を見たり、面接の時もとても会社の雰囲気が良かったので、すぐに入社を決めました。
お客様にとって注文住宅というのは「世界にたったひとつのもの」なので、できるだけお客様の期待やこだわりに添えるように常に意識しています。趣味や好きなものがはっきりと決まっているお客様であれば、それをヒアリング中にお伺いして建物のテイストに反映させます。ただ、すべてのお客様がはっきりした好みがあるわけではありません。その場合は、家づくりにおいて一番重要視するのは何か、というのを質問しています。こちらから聞いていくと、最初は何も希望がないように思えたお客様でも、「家事動線」とか、「日当たり」だったり、必ず何かがあります。その隠れた要望をすくい取るように意識していますね。
以前、簡単なヒアリングのあとにプランを引いたときに、首を傾げられてしまったことがありました。土地を見て「この土地だったらこんな感じがいいんじゃないかな」と日当たりやデザインを重視してご提案したのですが、よくよくお客様にヒアリングしていくと、「かっこよさ」よりも家事動線や、家族が過ごしやすい家を希望されていました。その時に、家族の数だけ理想の暮らしがあって、何よりもそのご家族にとって「住みやすい」ことが大切なんだなと実感しました。それ以来、どんな住まいにしたいかを重点的にお伺いするようにしています。
「良い家」をたくさんつくっていきたいです。「良い家」は、お客様の数だけあるので、そのご家族が長年住んでも愛し続けていただける、住みやすい家をつくり続けていくことが目標ですね。すべてのお客様が自分にいきなり心を開いてくださるわけではないので、そのお客様に寄り添ったコミュニケーションができるようになっていかなくてはと思っています。これから入社してくれる設計士にも、お客様と心を通わせるコミュニケーションも含めて伝えていければと思います。