防犯住宅 | ファーストステージ

「防犯のプロ」と 「建築のプロ」に聞く これからの家づくりに求められるものとは?

スマートハウス、ゼロエネルギーハウスなど、快適性と機能面が進化していく住宅。
一方で、安全大国と言われてきた日本において犯罪被害が増加している。
今、本当に建てるべき家はどんな家なのか?
建築のプロと防犯のプロ。業界が異なる二人のプロにインタビューを行いました。

家族を守る住まい選びの新基準 設計から安全性を向上させる防犯住宅で暮らそう

各メディアやセミナー等で活躍中の防犯ジャーナリスト・梅本正行さんと、同氏をアドバイザーに迎えて
犯罪者が侵入しにくい防犯住宅を提供しているファーストステージの飯村真樹社長。
二人が次世代の住まいとして注目し、普及に務める防犯住宅について語ってもらいました。(以下敬称略)

性能やグレードだけでなく防犯性の高い住宅が今後の主流になる

飯村
まず、私からこれからの住宅についてお話しましょう。現在の日本の家づくりは、数ではなく質を良くする方向に切り替わっています。空き家が社会問題になるぐらい、住宅の数は余っていますから。なので、質を高めましょうという流れになっているのですが、それにはコストがかかってしまう。
そのため、施主の住宅取得のコストを下げ、家の質のランクを上げられるように、国や自治体は補助金の交付を毎年のようにやっています。電気自動車の販売がスタートした時に補助金が出ましたよね?
梅本
ありましたね。エコカー減税などの優遇措置も国は実施していましたよ。
飯村
それと同じです。今は国がZEH(※ゼッチ)を一生懸命やろうとしているのですが、やがてそれが日本のスタンダードな住宅になることでしょう。これから家づくりを考えている方は型遅れの家を買わないように、性能やグレードに対するアンテナは常に張っておいた方がいいですね。
梅本
なるほど。では、次に私の方から防犯について言わせてもらうと、日本人の防犯意識は、先進国の中で最も低いと言い切れます。自衛本能や危機管理が小さい頃から備わっていないんですよ。
飯村
ほぼ同じ民族が住んでいる島国であるため、周囲との絆が深く、そんなに防犯のことを考えずに済んだのでしょうね。
梅本
ほとんどの人が、「見るからにお金を持っていそうな立派な家」や「一般的な佇まいなのに、運が悪くてたまたま泥棒に入られてしまった家」が住宅侵入の被害に遭っていると勘違いしている。
飯村
でも、実はそうじゃない。
梅本
犯罪を未然に防ぐためには、防犯環境設計に基づく防犯性の高い家づくりをすることが重要です。周辺の環境、犯罪情勢を検証して建てれば、犯罪者が「ここはやめよう」とリスクを感じて避けていく。それが設計の段階からできるんですよ。
飯村
これを知った時は目からウロコでした。

※Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略。住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーをつくることにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅を指します。

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犯罪者はどんな家でも狙ってくるが防犯環境設計で被害を軽減できる

飯村
例えば、ルパン三世のように豪邸に入って何億円分も盗むよりも、一軒辺り5万円でもいいから何度も一般住宅を狙うという泥棒もいるのですか?
梅本
いますね。特に茨城県の住宅は鍵をかけていない所も少なくない。
飯村
「実はうちの家も…」と思い当たる人はたくさんいるでしょうね。
梅本
だから「息子が金を持っていったのかと思った」とか、仏壇の中に入れていた現金をずっと後になって盗られたことに気付くとか、そんな人ばかり。警察が発表した住宅侵入事件の数は、明るみになったものだけですよ。
飯村
では、実際の被害件数よりも相当数あるんですね?
梅本
そりゃもう、いっぱい!
飯村
今は鍵すら掛けていない家があるから、鍵を掛けている家とは差別化されていますよね。でも、いずれはみんな鍵を掛けるようになります。そうなると、泥棒はどういう家を狙うのでしょうか?
梅本
「悪知恵に勝る知恵はなし」ということわざがありますが、犯罪者の執念やリスク管理は凄まじい。人間が作ったものは、人間が壊せると思っているし、犯罪を生業にしているのですから。だから、どんな家を作っても狙ってきますよ。でも、そこの裏をかいて、狙いにくい家を建てて被害を軽減することはできるんです。

防犯のノウハウを学んだセキュリティーアドバイザーが在籍

飯村
私たちは毎月1回、梅さんから防犯に関する講義を受けており、実際に住宅侵入をされた犯行現場へ訪れて、その原因や対策を聞くフィールドワークも実施しています。
梅本
やはり、設計にかかわるスタッフらが専門家と現場で一緒に見て、聞いて、知ることができるフィールドワークは重要。今後の防犯環境設計への具体的なイメージを掴みやすいですからね。
飯村
そのような研修を受けたセキュリティーアドバイザーが20名程いるのは弊社の強みですね。
梅本
防犯住宅と聞くと、住宅のことばかり考えがちですが、実は外構のフェンス、門、インターホンのボタンの場所、表札などいかに敷地全体の対策を取るかが大切なんですよ。
飯村
敷地に簡単に入られてしまってはいけない。外構で侵入を止めないと犯罪防止にならないですものね。
梅本
でもね、「じゃあ、檻のような塀にするか」というような発想はやめましょう。プロの目線で防犯環境を整えて、自分の土地を宝物にして欲しいです。
飯村
私は防犯の勉強をするまで、窓を大きめに設計することが多かった。しかし窓を開けて通風ができて、最低限の光が入るけれども、人が入ることができないサイズの窓がありますよね。スリット窓のような。そういうものを設置すれば、お金を掛けずに住宅侵入の被害を未然に防ぐことができる。そんな防犯環境設計を実際に取り入れています。
梅本
戸建住宅の利点は、自分で自由に好きにできる敷地があること。そこに犯罪者を入れないようにすることで、子ども達が気兼ねなく走り回れる安全な住環境にできることを皆さんに気付いて欲しいです。
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セキュリティーシステムだけではNG、ハードとなる住宅から防犯環境を整える

梅本
ダイエットでよくあるじゃないですか?「好きなものを食べても、これを飲めば自然と体重が減りますよ」ってやつ。おかしいよね。そのサプリメントや薬を飲まなくなったら元に戻る訳じゃない?一番良いのは生活習慣の見直しでしょ?お酒を飲むにしても、量を減らしたり、食事もベジタブルファーストにしてみるとか。生活習慣で最善を尽くして、それからサプリメントや薬で補填していく。これが一番賢い方法でしょう。防犯住宅もそれらと一緒なんですよ。
飯村
某メーカーみたいに防犯をうたっているアパートや住宅って、基本的にセキュリティーシステムしか入れていない…。
梅本
その前の設計で補わなければいけない部分がたくさんあるのに。
飯村
お施主さまが「どうしても大きな窓が欲しい」と要望してきた場合、位置さえ変えたらOKというケースもある。この位置なら100人の泥棒が100人入らないという場所が実はあるんですよね。
梅本
そんな風にハード=住宅をきちんと整えて、ソフト=セキュリティーシステムで補うのが理想の防犯住宅。もし土地を探している途中のお客さんがいて、候補地の防犯環境が悪かった場合、「その土地はやめた方がいいですよ」と理由とともに伝えられて、代替え案が出せるような会社になってもらいたいですね。
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防犯アナリスト梅本 正行

NPO犯罪予防相談センター創立者、理事長を経て、2006年4月より日本防犯学校学長を務める。犯罪者心理を知り尽くしたプロの目で、防犯ジャーナリストとしてテレビ・ラジオ・新聞・雑誌等で活躍。警察署での署員特別教養講師や犯人逮捕への協力など、警察からの感謝状は400枚を越える。犯罪抑止に力を注ぐ中、経済産業省の「省エネ・防犯情報提供事業研究会」の委員として参画。侵入犯罪の現場には極力足を運び、現場環境や犯行手口など、事件の内容を検証しており、その数は8000件を越える。

株式会社ファーストステージ代表取締役飯村 真樹

中央工学校建築設計科卒業後、大手ハウスメーカーの営業を経て、1997年、茨城県水戸市に住宅会社㈱ファーストステージを設立。建築士と建てる、ちょっと「カッコイイ」家を地域に提供中。一級建築士、一級建築施工管理技士、インテリアプランナー、インテリアコーディネーター、2級福祉住環境プランナー、住宅ローンアドバイザーなど多数資格を所有。座右の銘は「一意専心」。